ひまつぶし相談所

雑記です。

著:紗倉まなさん、凹凸を読みました。

紗倉まなさんの二作目の小説を読みました。凹凸。おうとつ。表紙も、裸の女性になっていて、男女の営みを連想されるタイトルですね。今作も、「最低。」に続いて下心丸出しで読み始めました。とんでもなく官能的で、性的な表現がたくさん出てくるんじゃないか、と。ほんと最低ですね。
 

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作者の実体験をもとにして書かれた、「母子二代にわたる性と愛の物語」です。第一子を授かってから、男女の関係が消えた夫婦。父親の、娘への歪んだ愛情。娘の恋人。いちいち素敵な表現でつづられた文章で物語は進みます。詩的な表現が盛りだくさんなんです。紗倉まなさんは多才ですね。章ごとに、人物が変わったり、また、時代が前後したりするので少し混乱したりもしましたが。
 
全体を通して、冷たさや、寂しさ、そんな感情が伝わってくる小説でした。とくに、強烈に印象的だったのは最終章。これまでの章と違い、「僕」という人物が語りながら物語は進みます。「僕」というのは、誰のことなのか。それは割とすぐに明かされるのですが、一体どういう存在なのか。それがわからないんです。なぜ、そんな事を、この「僕」が知っているのだろう。そう思いながら読み進めました。
 
そうしたら、最後に種明かしがちゃんとあり、腑に落ちました。僕という存在の正体が。なるほど、そういうことか、と。見事な結末でした。是非読んでみて、どういうことなのか確認してみてください。
 
まったく、スケベな下心まる出しで読み始めた自分が恥ずかしいですね。ムフフなシーンもありましたが、それ以外も素晴らしい小説でした。それにしても、実体験ももとに書いたらしいですが、すごい体験をしているんですね、紗倉まなさんは。それに比べたらぼくの人生なんて、平々凡々です。小説のタイトル、凹凸と対をなす、真っ平らな人生です。(うまいこと決まった...!!)