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ひまつぶし相談所

ひまつぶし専門家です。きままに、なにかを書きます。きらくに、読んでね。

冷めた心に、暖かい話でもどうですか?「コーヒーが冷めないうちに」。

川口俊和さんの小説。ランキングの上位にあったので、どんな本かと調べてみた。「過去に戻れる喫茶店で起こった、心温まる4つの奇跡」のものがたり。

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私はこういう、いわゆる「タイムスリップもの」に弱い。好きなんです、時空を超えるのが。自分自身、よく、過去に戻れたら...という妄想をしてしまうので。

 

とある喫茶店でコーヒーを飲むと、自分の思った過去や未来に飛ぶことができる。しかしそこにはとんでもなくめんどくさいルールがいくつもあった。

 

①過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない者には会うことができない。

②過去に戻ってどんな努力をしても、現実は変わらない。

③過去に戻れる席には先客がいる。席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ。

④過去に戻っても、席を立って移動する事はできない。

⑤過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ。

 

こんなめんどくさいルールの数々を知ってもなお、時間をこえたいと思い立った人たちの4つのものがたり。

 

第1話「恋人」。結婚を考えていた恋人から突然別れを告げられた女の話。どうして素直に「別れたくない」と言えなかったのか。その後悔を消すために、過去を変えても現実は変わらないという事実を教えられても、過去に行くことにした彼女。再び別れ話を切り出された彼女。果たしてうまく自分の気持ちを伝えられるのだろうか。ただ、伝えられたとしても「今」は何も変わらない...。しかし...。うーん、この話は、一本とられた!というような終わり方だったな。とても感動した。なんだか勇気ももらった。

 

第2話「夫婦」。アルツハイマーで、記憶が消えていく夫と、看護師の妻の話。ある日、夫が自分に渡したかったが渡せなかった手紙があるということを知り、その時に飛ぶことにした妻。そして知ることになる。手紙の内容とともに、夫の秘められた想いを。第1話に続き、感動させられたよ...。

 

第3話「姉妹」。家出した姉と、よく食べる妹の話。実家の旅館を継ぐのが嫌で家出した姉。そんな姉を連れ戻したくて、時間を見つけては説得に現れる妹。いつしか姉は妹と会うのが億劫になってしまい、妹が来ると隠れてやり過ごすようになってしまう。そんなある日、妹が...。姉は妹に会うために過去へとぶ。そこで姉は妹の本心を知ることになる。えーん。これも涙なしでは読めない。妹よ...。

 

第4話「親子」。この不思議な喫茶店で働く妊婦さんの話。彼女は生まれつき心臓が弱く、子供を無事に産むことはできないと告げられていた。つまり、産むと同時に自分は命を落としてしまうということ。それでも彼女は我が子を産もうと決断する。しかし、苦悩もあった。私は産むことしかしてやれないと。そばにいてやることはできないと。そして、未来の我が子に会うことを決める。果たして、うまく我が子に会うことはできるのだろうか...。いやぁ、この話が一番感動した。とてもいいお話でした...。

 

というように、多少つながりはあるものの、大体1話完結の全4話で構成されているこの本。「4回泣ける」のコピーは本当だった。

 

感動したいかた、読んでみてはいかが?コーヒーが冷めないうちに。

 

 

ちなみに私はコーヒーが飲めない。

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