ひまつぶし相談所

ぐんまけんみんです。ぐんまとは関係のないことばかり書きます。

64"ロクヨン"(小説)感想。※ネタバレもしちゃいますぜ。

横山秀夫さんの小説、「64」を読んだ。もうすぐ実写映画も公開ということで、それに先駆けてというわけではないけど、興味を持ったので。隙間時間を利用して2週間くらいかけて読んだ。...随分かかったな。

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昭和64年、わずか7日間しかなかった昭和最後の年に起きた誘拐殺人事件ー通称"ロクヨン"と呼ばれる事件。身代金2000万円もまんまと奪われ、7歳の少女・雨宮翔子も無惨な遺体で発見される。犯人は平成の世に逃げ込んだ。それから14年、事件の解決に向けた進展が何もないまま時効が目前に迫った平成14年、突如"ロクヨン"は動き出す。

 

14年も経った今になって、なにやら警察が隠密に当時ロクヨンに関係した者たちを嗅ぎ回っている。そして、警察庁長官の被害者遺族、雨宮宅への弔問も決まる。その弔問許可を取ってくるよう命じられた広報官の三上。ところが雨宮は長官の弔問を拒否。雨宮と刑事部の関係が断たれていることをこの時に知る。その理由は、なんと警察の、組織ぐるみの隠蔽であった。ロクヨン当時、公式では犯人からの電話は2回、とされているが、実は3回目の電話があったのだ。この幻の3回目の電話の時はテープレコーダーが準備万端だったのだが、なぜかテープが回らないという事態に。テープが回らないうちに雨宮が電話を取ってしまったため、犯人の声を録音できなかった。

 

もし、この時犯人の声を録音できていてば声紋鑑定に回し、捕まえることができただろうが、レコーダーの記録ミスという警察の失態によってそれは叶わぬこととなってしまった。そしてあろうことか警察はその事実を隠蔽し、犯人からの電話は2回しかなかったことにしたのだった。これが、雨宮と刑事部との関係が断絶された背景。この時捜査に関わっていた、正義感の強い幸田は隠蔽の事実を書いた「幸田メモ」を残し、退職。幸田だけは、雨宮との関係は続いていた。

 

しかし三上の懇願によって、雨宮は長官の弔問を受け入れる。ところがその前日にロクヨンを模倣した少女誘拐事件が発生。しかしなにがおかしい...。警察は、何かこの事件の根本的なものを隠している。そう感じる三上。それは的中した。なんとこの誘拐事件はロクヨンの犯人を誘き出すために雨宮と幸田が仕組んだものだった。少女は誘拐されたわけではなく、もともとあまり自宅に帰らずフラフラしていたのでそれを利用しただけ。

 

警察が14年間何万人もの人間が追ってもたどり着くことができなかったロクヨンの犯人。それにたったひとりでたどり着いたのは雨宮。「声を聞けばこいつが犯人だとわかる」と、確信していた雨宮は、なんと電話帳の「あ」から順に無言電話をかけていったのだった。女が出れば、男が出るまでなんども同じ番号にかけ直す。それを続け、「め」で犯人にたどり着いた。そしてロクヨンを模倣して「目崎正人」をおびき出した...。

 

ざっとこんな感じだけど、合間に組織との対立や、マスコミとの対立なんかが描かれている。私はミステリーは大好きなんだけど、こういう人間ドラマ?的なものはちょっぴり退屈。最後のロクヨン模倣事件の種明かしはとてもすっきりして気持ち良かった。雨宮の執念すごい。

 

あと、三上の娘のあゆみはひょんな理由から失踪中なんだけど、結局あゆみは家出なのか誘拐されたのか明かされることはなく、戻ってくることもなく物語は終わってしまい、モヤモヤが残った。無事で生きていてほしいものだ。